給排水ポンプ設置工事とは?建物の“心臓部”を作り上げる専門家の仕事

はじめに:高層ビルや地下室へ、どうやって水を届ける?


私たちは普段、高い建物の上の階でも、あるいは地下にあるお店でも、当たり前のように蛇口から水が出て、トイレの水が流せることを不思議に思いません。しかし、水は自然には低い場所から高い場所へは流れません。この当たり前を実現しているのが、重力に逆らって水を送り出す「ポンプ」という、まさに縁の下の力持ちの存在です。


この建物の“心臓部”とも言える重要なポンプを、専門的な技術で設置・維持管理するのが「給排水ポンプ設置工事」です。今回は、あまり知られていないけれど、建物の機能を支える上で絶対に欠かせない、ポンプのプロの仕事内容とその魅力について解説します。


「給排水ポンプ」にはどんな種類がある?主な役割と仕組み

一口に「ポンプ」と言っても、その役割や場所によって様々な種類があります。ここでは、代表的な給排水ポンプをご紹介します。


役割①【給水】:高層階へ水を押し上げる「揚水ポンプ・増圧ポンプ」


マンションやオフィスビルなど、3階建て以上の建物になると、水道本管からの水圧だけでは上層階まで水を届けることが難しくなります。そこで活躍するのが、一度屋上などの高い場所に設置したタンク(高置水槽)まで水を汲み上げる「揚水ポンプ」や、水道管の途中で水圧をさらに高める「増圧ポンプ」です。これらのポンプがあるおかげで、高層階でも快適に水が使えるのです。


役割②【排水】:地下からの汚水や雨水を排出する「水中ポンプ」


建物の地下にある厨房やトイレ、あるいは地下駐車場など、公共の下水道よりも低い場所から出る汚水や雨水は、自然には流れていきません。そこで、これらの排水を一時的にピット(槽)に溜め、そこからポンプの力で強制的に地上まで汲み上げて排水するのが「水中ポンプ」の役割です。ゲリラ豪雨などによる浸水から、建物を守るという重要な使命も担っています。


役割③【循環】:お風呂のお湯などを循環させる「循環ポンプ」


大規模な温浴施設やマンションの共用浴場などで、お湯をろ過・加熱しながら常に循環させて、清潔で温かい状態に保つのが「循環ポンプ」です。快適なリラックスタイムを支える、これもまた大切な役割です。


【プロの仕事拝見】給排水ポンプ設置工事の基本的な流れ

では、専門家たちはどのようにして、これらの重要なポンプを設置していくのでしょうか。その基本的な流れを見てみましょう。


STEP1:建物の用途や高さに合わせた、最適なポンプの「選定」


工事の最初のステップは、その建物でどのくらいの水が、どれくらいの高さまで必要なのかを正確に計算し、数あるポンプの中から最も適した能力・種類のポンプを選び出す「選定」作業です。この選定を間違えると、水圧が弱すぎたり、逆に強すぎて配管を傷めたりする原因になります。専門的な知識が求められる重要な工程です。


STEP2:ポンプを支える頑丈な「基礎」の作成と、正確な「芯出し」


ポンプは稼働中に大きな振動を発生させるため、その重さと振動に耐えられる頑丈なコンクリートの土台(基礎)が不可欠です。基礎が完成したら、その上にポンプを設置しますが、この時、ポンプとモーターの回転軸が一直線になるよう、ミリ単位の精度で位置を調整する「芯出し」という作業を行います。この精度が、ポンプの寿命や性能を大きく左右します。


STEP3:給排水管との確実な「配管接続」と、電気系統の「配線工事」


ポンプの位置が決まったら、水を吸い込む側と送り出す側の両方を、給排水管と確実に接続していきます。水漏れが絶対に起きないよう、正確で丁寧な配管技術が求められます。また、ポンプは電気で動くため、モーターへ電気を供給するための「配線工事」や、水位を感知して自動で運転・停止させるための制御盤の設定なども、私たち専門家が行います。


STEP4:正常な動作を確認する「試運転」と、最終調整


全ての接続が完了したら、実際にポンプを動かしてみて(試運転)、異音や異常な振動がないか、水圧は適切か、制御は正常に働くかなどを入念にチェックします。ここで最終的な微調整を行い、ポンプがその性能を最大限に発揮できる状態にして、ようやく工事完了となります。


給排水ポンプのプロになる!求められるスキルと、仕事のやりがい

建物の機能を支えるポンプの専門家。この仕事には、どのような面白さとやりがいがあるのでしょうか。


配管・電気・機械。幅広い知識が求められる技術職としての面白さ


給排水ポンプ工事は、管を繋ぐ「配管」の技術だけでなく、モーターを動かす「電気」の知識、そしてポンプ本体の構造を理解する「機械」の知識と、非常に幅広い専門性が求められます。様々な分野のスキルを身につけ、総合的な技術者として成長していける奥深さが、この仕事の大きな面白さです。


建物の機能を甦らせる!ポンプ交換後の「劇的な変化」がくれる達成感


古くなって能力が落ちたポンプを新しいものに交換すると、それまで弱々しかった水の出が劇的に改善されることがあります。お客様から「すごい!水の勢いが全然違う!」と驚きと喜びの声を直接いただけた時、自分たちの仕事が建物の機能を甦らせ、人々の快適な生活に貢献できたという、大きな達成感を得ることができます。


故障を未然に防ぐ「メンテナンス」という、社会貢献性の高い役割


ポンプは、一度設置したら終わりではありません。定期的に点検やメンテナンスを行うことで、突然の故障を未然に防ぎ、建物の機能を長期間にわたって維持するという重要な役割も担います。トラブルを予測し、防ぐ。これもまた、人々の安心を支える、社会貢献性の高い仕事なのです。


まとめ:建物の“命”を動かす、ダイナミックな仕事に挑戦しよう

給排水ポンプ設置工事は、配管・電気・機械といった多様な知識と技術を駆使して、建物の“心臓部”を作り上げ、その命を動かし続ける、非常にダイナミックでやりがいのある専門職です。


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