はじめに：給与明細を見て「なんでこんなに引かれるの？」と思ったあなたへ
初めてのお給料日、ワクワクしながら給与明細を見て、「あれ？思ったより手取りが少ない…」とがっかりした経験はありませんか？
額面（総支給額）から引かれている、「社会保険料」や「年金」といった項目。「せっかく働いたのに、損してる！」と感じてしまうかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。実はその引かれているお金、決して無駄に消えているわけではないんです。むしろ、会社があなたと、あなたの大切な家族の生活を守るために、費用の半分（場合によっては全額！）を負担してくれている「お得な制度」だとしたらどうでしょうか？
この記事では、就職活動中の学生さんや求職者の方、そして親御さんに向けて、意外と知られていない「福利厚生」の仕組みと、会社が提供する「安心の保証」について、専門用語を噛み砕いて分かりやすく解説します。
そもそも「福利厚生」って何？大きく分けて2種類あります
求人票でよく見る「福利厚生」という言葉。なんとなく良いイメージはあるけれど、具体的に何を指すのか説明できる人は少ないかもしれません。
用語解説：【福利厚生（ふくりこうせい）】
簡単に言うと、「会社が給料（お給料）以外に、社員とその家族の生活を豊かにしたり、健康を守ったりするために提供するサポート全般」のことです。
社員食堂や社員旅行といったものだけでなく、実は「健康保険」や「年金」も、広い意味での福利厚生に含まれます。
この福利厚生には、法律で「会社が必ず用意しなさい」と決まっている「法定福利厚生」と、会社が独自に「社員のためにこれをやろう！」と決めて行う「法定外福利厚生」の2種類があります。
【法定福利】給料から引かれる「社会保険」は、実は最強の保険セット！
給料から引かれているお金の正体、その多くは「社会保険料」です。「引かれる」と聞くと嫌な気分になりますが、実はこれ、個人で入るよりも圧倒的にお得で強力な保険セットなのです。
用語解説：【健康保険（けんこうほけん）】
病気や怪我をした時、病院の窓口で払うお金が「3割負担」で済むのは、この保険のおかげです。
ここがポイント！：毎月払う保険料の半分は、会社が支払ってくれています。自分で国民健康保険に入るよりも、負担が少なくて済むのです。
用語解説：【厚生年金（こうせいねんきん）】
将来、おじいちゃんおばあちゃんになった時に受け取る年金を増やすための積立です。全員が入る「国民年金」に、さらに上乗せされる「2階建て」の部分です。
ここがポイント！：こちらも、掛金の半分は会社が支払ってくれています。将来もらえる額が増えるのに、半額は会社持ち。これは会社員の大きな特権です。
用語解説：【雇用保険（こようほけん）】
万が一、会社を辞めなければならなくなった時に、次の仕事が見つかるまでの生活費（失業手当）を受け取るための保険です。
ここがポイント！：働く人の再出発を支えるための重要なセーフティネットです。
【親御さんも安心】仕事中の「もしも」から守る！会社負担の保証制度
特に建設業のような現場仕事の場合、ご本人だけでなく、親御さんも「仕事中の怪我」を心配されることが多いでしょう。そんな「もしも」の時に守ってくれる、強力な制度があります。
用語解説：【労災保険（ろうさいほけん）】
仕事中や、通勤途中に怪我をしたり病気になったりした時、治療費が「自己負担ゼロ（無料）」になる保険です。さらに、休んでいる間の給料の補償も受けられます。
ここがポイント！：この保険料は、全額会社が負担します。社員の給料からは1円も引かれません。
建設業ならではの「建退共（建設業退職金共済）」
多くの建設会社が加入している退職金制度です。働いた日数に応じて掛金が積み立てられ、退職時にまとまったお金を受け取ることができます。
ここがポイント！：こちらも掛金は会社負担です。長く働けば働くほど、将来の安心が増えていきます。
【法定外福利】会社ごとの個性が出る！プラスアルファのサポート
ここからは、会社が独自に用意している「プラスアルファ」のサポートです。求人票を見比べる時は、ここをチェックすると会社の「社員への想い」が見えてきます。
用語解説：【諸手当（しょてあて）】
基本給に上乗せして支給されるお金のことです。
- 住宅手当：家賃やローンの負担を減らしてくれる手当
- 家族手当：配偶者や子供がいる社員を応援する手当
- 資格手当：仕事に必要な資格を持っていると貰える手当（頑張りが給料に直結！）
休日や休暇制度も福利厚生の一つ
「完全週休2日制」や「有給休暇が取りやすい」といった環境も、社員の健康とプライベートを守る立派な福利厚生です。
まとめ
福利厚生は、会社からの「あなたを大切にする」というメッセージ
給与明細で「引かれている」ように見えるお金は、実は会社が半分（あるいは全額）を負担して、あなたの「健康」「生活」「未来」を守るために支払ってくれている「安心料」であり「未来への貯金」だったのです。
福利厚生が充実している会社を選ぶということは、「社員を使い捨てにせず、長く大切に守ってくれる会社」を選ぶということと同じです。
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